(現地で飲む)世界のビール vol.35

北京で定番の「燕京啤酒(Yanjing Beer)纯生」

燕京とは北京の昔の別称らしい。

泡立ちは軽く北京ダックの香ばしさを邪魔しない控え目の味。

それにしてもここ数年で中国の飲食店でも普通に冷えたビールが出てくるようになった。

冷たいモノを身体に摂取しないっていう中国四千年の健康法よりも、冷やしたビールの美味さの方が優先されたってことだ(^o^)

at 全聖徳前門起源店 in 北京, 中華人民共和国

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場所:
全聚徳烤鴨店(チュアン ジュード・カウヤーディエン)(前門起源店)

住所:
北京市東城区前門大街32号
32 Qianmen St, Dongcheng Qu, Beijing Shi,  People’s Republic of CHINA 中華人民共和国
+86 10 6511 2418
地図

備考:
西太后の君臨していた清の時代1864年の創業から、紫禁城の南正面の玄関口である前門の参道横に店を構え続けている北京ダックの老舗の名店。

前門大街の通り沿いにもお店はありますが、創業当時の外観を残す起源店の入口はちょっと奥まったトンネルの先にあります。

入口から入ると創業当時の窯のオブジェが迎えてくれます。

中華人民共和国の“国家級非物質文化遺産”と掲げている厨房を横目に席に案内されます。

2階吹き抜けの階段ホールもあり、清朝からという歴史ある名店の趣きを感じられます。

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ちなみに清朝末期を舞台にした浅田次郎氏の傑作長編小説「蒼穹の昴」にも登場する歴史の目撃者的な創業の本店。

また浅田氏は旅行エッセイ「つばさよ つばさ」でもここ全聖徳前門起源店の北京ダックを「世界一うまい食べ物」とベタ褒めしております。

全聖徳は東京にも出店しておりますが、やはり本場のこの前門起源店の煉瓦造りの窯で焼く北京ダックが、その香りといい食感といい絶品です。

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さて、北京ダックと言えば、全聖徳を堪能するだけでは片手落ちで、ぜひとも北京ダックを最も古くから提供してきた老舗店の「便宜坊(Bian Yi Fang)」でも食べ比べしてみましょう!

全聖徳の窯は前面が開放されている「挂炉(Guà lú)」といい、焼け具合を見ながら直火で焼くので、皮のパリパリ感が絶妙になります。

対して便宜坊の窯は「焖炉(mèn lú)」といい、事前に窯を炊いた後の余熱で密閉してじっくり焼く、というか蒸すという方法なので、皮や肉の油分と水分が残り、しっとり柔らかい仕上がりになります。

なお、便宜坊の方がお店の歴史は古く、なんと清朝の前の明朝時代1416年創業という老舗中の老舗ですが、昨今は北京中に新しく様々なコンセプトで開店しており、ファッショナブルなお洒落な街「三里屯(Sānlǐtún)」のお店はモダンで高級感溢れる雰囲気。

そして北京ダックはもちろん肉も皮もしっとりの旨さ。

ちなみに便宜坊の「燕京啤酒 纯生」は、高級感溢れる金色のラベルです(^^)

at 便宜坊烤鴨店

住所:
北京市朝阳区工体北路13号
13 Workers’ Sports Complex N Rd, Chaoyang, Beijing,
+86 10 8405 9699
地図

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さてもうひとつ、北京ダックと言えば「大董(Dà dǒng)」も忘れてはいけませんね。

こちらは1985年創業という新しい料理店ですが、経営者がMBA(経営学修士)を取得しているとかで、昔ながらの料理店にはない新しいスタイルで北京ダックを提供する飲食店業界に斬り込み、一躍有名店に。

窯は全聖徳と同じ前面が開放されている「挂炉」ですが、脂肪分を従来の3分の1までカットしたヘルシーなダックを使った皮パリパリ肉さっぱりの北京ダックが特徴です。

↑北京ダックを盛るお皿を下から温めるという気の利いた心遣いや、↓北京ダック以外の料理の盛り付けもアートな演出と斬新さがあり、目でも楽しませてくれます。

そして「大董烤鴨店」の「燕京啤酒 纯生」は、ラベルがボトルに直接描かれた、環境にも優しい洒落た瓶で提供されます。

at 北京大董烤鴨店 北京南新倉店

住所:
北京市東城区東四十条甲22号南新仓商务大厦1-2层
Beijing, Dongcheng, Dongsi 10th Alley,
+86 10 5169 0329
地図

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さて「燕京ビール」は、1980年北京で創業の「燕京啤酒股份有限公司(Yanjing Brewery Company Limited)」が製造。

燕京という北京の古い呼び名を名乗っている割には意外と新しい会社ではあるが、今や瀋陽の雪花ビールや青島ビールと並ぶ中国有数の生産量を誇るビール会社であるとのこと。

“純生”の燕京啤酒は、厳選された高級麦芽と天然ミネラルウォーターで醸造された非加熱処理の生ビールで、北京以外ではなかなかお目にかからない地元限定ビールなので、北京を訪れた際は真っ先に注文しましょう(^_^)

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