(現地で飲む)世界のビール vol.262

オスロの名前そのものズバリのビールブランド
「OSLO MELLOW IPA(オスロ・メロー・IPA)」

ノルウェーというと大自然のワイルド感と、バイキングの末裔というイメージで、味覚も荒削りなのではという勝手な先入観がありましたが、「オスロ」ビールは繊細な味覚を持つからこその、絶妙なホップの苦味に勝るとも劣らないフルーティな芳香、絶妙なバランスが心地好く、とっても美味いビールです!

ちなみに後ろに見える陸地は「アナと雪の女王」のモデルになったお城だそうです。

at Lekter’n in OSLO, Kingdom of Norway

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場所:
LEKTER’N

住所:
Støperigata 2, 0250 Oslo, Kongeriket Norge=Kongeriket Noreg(ノルウェー王国、Kingdom of Norway)
地図

備考:
ノルウェーの首都、オスロ中心部の眼の前に広がるオスロフィヨルドの北限で天然の良港オスロ港。

サーモンの水揚げ量が世界一というノルウェーの最重要拠点港です。

さて、そんなオスロ港で夏の間の晴天の日だけ営業するというオープンエアのテラスレストラン「レクタン(LEKTER’N)」。

ノルウェー語の“LEKTER’N”は、日本語では“はしけ”の意で、“艀(はしけ)”とは、桟橋に着岸できない大型船から荷物を運ぶ平底の船というか移動する桟橋みたいなフロート浮舟のこと。

なるほど、錨を降ろしてロープで固定している「LEKTER’N」は、いかにも移動する海上テラスという感じです。

さて、そんな「LEKTER’N」の対岸の港に突き出た感じで鎮座する「アーケシュフース城と要塞(Akershus slott og festning)」は、ディズニー映画の世界的大ヒット作「アナと雪の女王(Frozen)」の舞台である「アレンデール城(Arendelle Castle)」のモデルであるとのこと。

港の入口を防御するように突き出た城構え、赤御影石などの自然石や焼成煉瓦造りの石垣や建物の壁、そして緑青(ろくしょう)色のとんがり屋根は、

たしかに北欧を舞台にした「アナ雪」制作において、この「アーケシュフース城と要塞」をイメージ創りの参考にしたのだろうなと納得。

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さて、話は変わってノルウェーといえば、先述した通りサーモン水揚げ量がぶっちぎりの世界一という水産国。

そして1980年代にノルウェーが国をあげて「プロジェクト・ジャパン(Project Japan Campaign)」という日本へのサーモン輸出拡大政策を推進したことが、結果的に世界中の寿司ブームを創ったと言っても過言では無いという話。

それまでの日本では、天然サーモン(鮭)は寄生虫がいるため生で食べず、刺し身や寿司ネタには使用しておりませんでした。

そこへノルウェー発の「プロジェクトジャパン」によって餌や養殖環境で品質管理を徹底し、生で食べられるサーモンを寿司ネタに!というアイデアで日本に売り込んだことからサーモンが寿司ネタとして定着したのです。

今や世界で寿司といえばサーモンが最もポピュラーな寿司ネタであり、日本食や日本文化の代表でもある“寿司”が世界中でブームになったのは実はノルウェーのおかげだったという、日本とノルウェーの素敵な縁。

ということで、ノルウェーのオスロでサーモン巻き。

場所:
The Salmon

住所:
Strandpromenaden 11
på Tjuvholmen i Oslo
地図

このレストランは、店名でもある“サーモン”だけでなく日本食にも精通しており、わさびからして本格的で、そして本場サーモンはもちろんシャリ(酢飯)の加減も絶妙で美味しい!

そして一緒に飲むのは魚介類と相性が抜群のビール。

(現地で飲む)世界のビール vol.263

「Nogne 4885 Blanc」

「ヌグネ(Nogne)」ビールは、2002年創業のクラフトビール醸造所「Nøgne Ø(ヌグネ・エウ、ノルウェー語で“裸の島”の意味)」が醸造。

また「ヌグネ・エウ醸造所」は正式名称を「NØGNE Ø – Det Kompromissløse Bryggeri A/S(裸の島−妥協のない醸造所株式会社)」となっており、社是が社名にもなっているという徹底した“妥協のない”クラフトビールの造り手です。

またヨーロッパで初めて日本酒を醸造したという、こだわりの造り手でもあるのです。

そんな醸造所が提供する「ヌグネ4885ブランク(Nogne 4885 Blanc)」は、オレンジピールのフルーティな香りとコリアンダーのスパイシーな香りが絶妙なハーモニーを奏で、刺し身や寿司とのマリアージュが最高のビールです。

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さて、話を冒頭のビールに戻します。

ノルウェーの首都“オスロ”の名を冠しながら、とっても素晴らしく美味しい「オスロ・メローIPA(OSLO MELLOW IPA)」は、2015年に創業した、これまたノルウェーのクラフトビールを代表する醸造所「オスロ・ブルーイング社(OSLO Brewing Company)」が醸造。

少数精鋭のオスロ在住の醸造マスターやスタッフたちが、オスロの街を愛する人々のため、オスロの輝かしい短い夏のために、オスロの天然水を使い、オスロの雄大な自然をイメージできる様に繊細な味わいに造りあげたのが“オスロビール”の数々です。

中でも「オスロ・メローIPA」は、通常の2倍のホップを使いながら、しかし苦味を前面に出さず、グレープフルーツのような柑橘系の香りとパイナップルを想わせるようなフレーバーが心地好く感じる絶妙なビールになっております。

そんな素晴らしい「オスロ」ビールの製品の数々は、世界各国に輸出こそはしておりますが、唯一「オスロ・ブルーイング社」がノルウェー国外で直営しているタップバーは日本の渋谷にある「ØL by Oslo Brewing Co. Shibuya」のみです。

住所:
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町37−10 麻仁ビル
地図

「オスロ・ブルーイング社」が愛情を込めて造りあげる繊細なビールを、世界で最も理解して楽しめる味覚を持つのは、日本人をおいてほかはいない、とか思って乗り込んで出店してきたのかは不明ですが、遠い北欧ノルウェーとの様々な素敵な縁を感じずにはいられません。

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そして蛇足ですが、冒頭のテラスレストラン「LEKTER’N」の装飾にノルウェー人も大好きな日本の国の花“桜”の造花が飾られていたり、

まったく意味は違いますが、北欧の言葉に「泥人間(DRONNINGEN、“女王”の意味)」とか日本語っぽい綴りを見つけると、はるか遠い北欧にいても、何だか遠からぬ縁を感じてホッとできるのは、勝手な日本人の誤解も含めて、少なからず縁を感じずにはいられないノルウェーで見つけた日本との縁です(⁠^⁠^⁠)

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