(現地で飲む)世界のビール vol.309

「Ottakringer Lager(オッタクリンガー・ラガー)」

グラスに口をつけた途端、華やかな香りが包み込むウイーンのビール。

ウイーンを代表する観光名所、シュテファン大聖堂を眺めながらのビール、最高です!

at front of St.Stephen’s Cathedral in Vienna

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場所:
Zwischengang Café & Wein

住所:
Stephansplatz 11, 1010 Wien, Republik Österreich(オーストリア共和国、Republic of Austria)
地図

備考:
オーストリアは冷戦時代から中立国であったことにより、首都ウィーンにあるウイーン国際空港は、欧州航空便におけるハブ空港となっており、EU内で移動する際に度々乗り継ぎの拠点として利用することになる空港。

そして空港からウィーン市街まで18kmという近さから、乗り継ぎ時間が4時間以上ある際には、市街にちょっと行けてしまいます。

大きな荷物は5€で空港に預け、ウィーン市街の公共交通1日乗り放題乗車券(Day Ticket Vienna)が打刻した日から翌日25:00まで利用可能で5.80€、または24h券でも8€で購入できるため、ウイーン初心者は待ち時間で弾丸観光をしたいもの。

ということで、まずはウイーンの街のシンボルでもあるシュテファン大聖堂(Stephansdom、Domkirche St.Stephan)。

1782年にはモーツァルトの結婚式を挙げ、1791年にはモーツァルトの葬儀を執り行ったという、このシュテファン大聖堂は、12世紀にこの地にあった教会の上に増築を重ね、正面は後期ロマネスク様式、側面から南塔はゴシック様式、内装はバロック様式という、その時代を反映しながら約400年かけて現在の形に。

写真では見づらいと思いますが、屋根は230,000枚もの極彩色タイルで覆われた華麗な模様が見事です。

そして世界の大聖堂の中で3番目の高さを誇るという、南塔の136mの高さも圧巻ですが、そのゴシック建築の精巧な造形美も圧巻。

少し遅れて南塔と対照になるよう同様の塔の建築が進んでいた北塔ですが、途中でゴシック様式の大聖堂時代が終わったことにより、方針転換して途中で止めてルネッサンス様式のキャップでフタをしたという北塔。

数百年の歴史の積み重ねにより、建物の壁面が煤(すす)で黒ずんでおりますが、近年になり正面から順番に煤落としを行っており、石灰岩の白い壁面が復活してきております。

なお、シュテファン大聖堂の教会内には無料で入れますので、時間があれば外観とは異なるテイストのバロック様式の建築美を楽しむのも良いでしょう。

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また、ウィーンの美しい街を散策するなら、古代ローマ時代からあるという歩行者天国の大通り、歴史的建造物の建ち並ぶグラーベン(Graben)も外せないでしょう。

14世紀から「黒死病」と呼ばれ、ウィーンでも人口の3分の2を死に至らしめたペストを、17世紀に克服した記念に建立されたペスト記念柱(Pestsaule)。

先端で黄金に輝く父と子と精霊の三位一体像をはじめ、基壇部まで続く大理石の彫刻が見事な記念碑です。

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さらにウィーンと言えば、類(たぐい)稀な美貌によって人々から賞賛され、“シシィ”の愛称で知られたエリザベート皇妃(Elisabeth von Österreich)の、実際に彼女が暮らした空間の中で、オーストリア・ハンガリー帝国に君臨した皇妃の軌跡を知る博物館(Sisi Museum Hofburg Wien)も候補のひとつ。

エリザベート皇妃の豪華な私物である日傘、扇子、手袋、衣類、美容用品などなど、皇妃の生きた往時を偲ぶに最適です。

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そんなエリザベート皇妃が愛したもののひとつ、ザッハトルテもウィーンに来たら食べたいですよね。

並んでいることが多いので、時間があれば、ですが。

本家「カフェ・ザッハー」の優雅な店内でいただくザッハトルテは格別です。

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さらに時間があれば、ウィーン旧市街にあふれる美しいゴシック様式やバロック様式の歴史的建造物の数々を眺めながらの散策も楽しいのですが、変わり種の歴史的建造物もあります。

オーストリア国会議事堂(Parlament)は、1873年から1883年にかけて建築家テオフィル・ハンセン(Theophil Hansen)氏の設計で建てられましたが、ギリシャのパルテノン神殿風で、正面には知恵、戦い、技術、学芸の女神、アテナの像が立っており、ここだけウィーンではないみたいで興味深くオススメ。

パスポートを提示すると無料で議事堂内も見学できるとのことなので、こちらも時間のある際は、ぜひ見学してみたいものです。

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さて、冒頭のビール「オッタクリンガーラガー」ですが、1837年にウィーンのオッタクリング(Ottakring)の地にて創業したオッタクリンガー醸造所(Ottakringer Brauerei)が製造。

ちなみに「オッタクリンガーラガー」は、タップ出し生ビールでなく瓶や缶の場合は、「オッタクリンガーヘレス(Ottakringer Helles)」として製品化され、“The Viennese Classic Lager Beer(ウィーンの古典的ラガービール)”とアピールして販売しております。

そのような「オッタクリンガー」ビールは、オーストリア国内では2番目に売り上げを誇っているビール。

今回偶然にもウィーン市庁舎前広場(Rathausplatz)では週末のフェスティバルが開催されており、ウィーン市庁舎の最前線の特等席をオッタクリンガービールのブースが陣取っているところに遭遇。

まさに“地元ウィーンで醸造し、地元ウィーンで愛されるウィーンを代表するビール”ということを目の当たりにした乗り継ぎ時間でした。

世界遺産であるウィーン旧市街、城壁に囲まれたエリアにはコンパクトにまとまっているので、短時間の弾丸でも色々と楽しめますが、ウィーン郊外にも魅力的な観光スポットが多数点在しているため、本当はできれば滞在して、じっくり楽しみたい都市ですね。

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