(現地で飲む)世界のビール vol.238

ポーランドのビール「Książęce Czerwony Lager(キシエンツェ・ツェルヴォニー・ラガー)」

“ラガー”という単語以外は聞き慣れず意味不明だと思いますが、“キシエンツェ(Książęce)”はポーランド語で王子様という意味で、“Czerwony”は赤、つまり直訳すると“王子様ブランドのレッドラガー”といった意味です。

at Zapiecek Polska Restaurant in Warsaw, POLAND

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場所:
ザピエツェク・ポルスキェ・ピエロガルニャ
(Zapiecek Polskie Pierogarnie)

住所:
Zapiecek, Świętojańska 13, 00-288 Warszawa, Rzeczpospolita Polska(ポーランド共和国、POLAND)
地図

備考:
ワルシャワに数店舗あるポーランド料理店。

直訳すると“焼きポーランド餃子”っていう感じの店名で、いわゆるポーランド名物“ピエロギ”中心の鉄板焼きのお店。

ちなみに“ピエロギ”は小麦粉などで作られた生地に、肉や野菜やチーズなどの具材を餃子っぽく包み、茹でたり焼いたりして食べる、各家庭独自のレシピがあるポーランド伝統の家庭料理です。

なお「ザピエツェク」では、“ピエロギ”だけでなく、ソーセージなどの肉料理はもちろんですが、付け合わせの“ザワークラウトと玉ねぎ炒め”などもほっこり美味しく個人的にはむしろそっちの方がビールのツマミにオススメ。

そんな「ザピエツェク」の更なるオススメポイントは、可愛い店舗内装と可愛い店員さんのコスチューム(⁠^⁠^⁠)

ポーランドの民族衣裳?っぽいカラフルでフリフリな衣裳が可愛らしく、ついついビールもう一杯。

(現地で飲む)世界のビール vol.239

ポーランドの定番「TYSKIE(ティスキェ)」

その「ティスキェ」はポーランド最古のブランドと言われ、ポーランド南部のプシュチナ(Pszczyna)地方のティヒの町にて1613年にはビールを自邸で醸造していた貴族の記録が残りますが、公式には1629年にポーランド王ヤン3世ソビエスキー(Jan III Sobieski)の誕生を記念して王冠を描くビールブランドとしてプロミッツ(Promitz)家によりティヒ醸造所が設立され、そこで「ティスキェ」ビールを醸造し始めたのが起源とされております。

その後18世紀にティヒ醸造所は倒産しましたが、そこで資本を投下して醸造所を立て直したのが、プシュチナ地方の貴族ホッホベルグ(Hochberg)家の王子、ジョン・ヘンリー11世(John Henry XI)でした。

そこで醸造所の名前をホッホベルク王子にちなんで「キシエンツェ・ティスキェ醸造所(Tyskie Browary Książęce)」に変更し、現在でも約400年続く老舗醸造所となっております。

キシエンツェ!、そうです、冒頭に紹介した「キシエンツェ(王子様)」ブランドのビールも「キシエンツェ・ティスキェ醸造所」で醸造しております。

さすがの王子様も1629年からポーランドビールの歴史を紡いできた「TYSKIE(ティスキェ)」ブランドはそのままにして、別に「Książęce(キシエンツェ、王子様)」ブランドを立ち上げ、ポーランドのビール好きに向けて世界中のビール製法を取り込んだ数々のラインナップを提供。

なお、そもそも黄金色に輝くピルスナービールが発明されたのは、1842年のチェコが最初であり、キシエンツェ(王子様)が「ティスキェ醸造所」でピルスナービールの「TYSKIE(ティスキェ)」を“ヤスネ・ペウネ(Jasne Pełne=ヤスネ・ペウネはポーランドではピルスナービールを指す一般名詞)”として世に送り出したのは、1861年、当時16の醸造所を運営しながら拡張に努めていた時代が現在の「TYSKIE(ティスキェ)」ならびにポーランドのピルスナービールの始まりとするのが定説です。

一方で冒頭の「Książęce Czerwony Lager(キシエンツェ・ツェルヴォニー・ラガー)」は、“VIENNA LAGER(ウィーンラガー)”と副題が付いている通り、チェコのピルスナービールとは違い、オーストリア・スタイルとしてピルゼンホップとキャラメルモルトの組成により、独特の銅色の色合いとクリーミーな泡を生むレッドラガーとして、チェコのピルスナーより1年前の1841年には確立されたとのこと。

じっくり口の中で味わうと、モルト、トースト、キャラメルのアロマを楽しめる、これまたピルスナーとは一味違う美味しいビールです。

さて、ポーランドビールの歴史はそれくらいにして、食後に美しいワルシャワの街を散策してみましょう。

「ザピエツェク」のお店があるワルシャワ旧市街歴史地区は夜も素敵。

お店の目の前はワルシャワ最古の教会「ワルシャワ聖ヨハネ大聖堂」↓

ワルシャワの紋章にもなっている人魚の像と市場広場↓

ワルシャワ王宮↓

そしてワルシャワ王宮の中庭↓

前述の「TYSKIE(ティスキェ)」の王冠を戴いたポーランド王ヤン3世ソビエスキーもこの中庭を歩いたのかと想像が膨らみ楽しい。

そんなポーランドの夏の夜は長く、美しい街並みを散策して喉が渇いた場合は、市場広場でビールを飲み直し。

1人当たりビール消費量が世界第3位というくらいのビール好き大国ポーランド、夜な夜な街中どこでもビールにありつける、ビール好きにオススメの国ポーランドです。

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