(現地で飲む)世界のビール vol.90

もうひとつの西塘ビール「西塘啤酒 超純」

「西塘啤酒」とは製造元も違い味も違うので、飲みくらべてみるのも楽しいんじゃない?

at環秀橋飯店 in西塘古鎮、 CHINA

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場所:
環秀橋飯店(Huán xiù qiáo fàndiàn)

住所:
中華人民共和国 浙江省-嘉兴市-嘉善县-西塘下西街88号
No.88 Xitang Xi Street, Jiashan County, Jiaxing City, Zhejiang Province, People’s Republic of China
地図

備考:
西塘古鎮の旧市街の中にて朝からビールが飲める店、環秀橋飯店。

“百年老店”の額が掲げられているので、それなりに歴史がある店なのでしょう。

その名の通り、環秀橋のたもとにある飲食店です。

西塘古鎮旧市街(景区)の真ん中くらいにある一番高い橋が環秀橋↓

なので橋の上からの眺めが秀逸です。

環秀橋のすぐ近くには西塘古鎮の名物のひとつ、幅が最も狭い路地である石皮弄(Shí pí Lòng)があります。

そんな自動車などが入れない狭い路地が街中に張り巡らされ、昔ながらの風情を残す西塘古鎮の散策は、日中は身動きできないほどの観光客でごった返すので、人のいない朝がオススメです。

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さて、そんな西塘古鎮と言えば2006年の映画「ミッション:インポッシブル3(m:i-III)」の撮影で使われたことで有名になった街。

トム・クルーズ扮するイーサン・ハントが西塘古鎮の名物である煙雨長廊(Yan Yu Chang Lang)という全長1キロ以上も続くアーケードを疾走するシーンは映画史に残る名シーン。

下の写真の右側、川沿いの建物1階の軒下が、雨露をしのげる様に延々と続くアーケードになっております。

そこを一気にトム・クルーズが駆け抜ける話は後にして、映画の流れ順に見ていきましょう。

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映画のクライマックス、上海の中心市街で睡眠薬を飲まされ敵一味に捕まり、どこかへ連れてこられて拷問されていたトム・クルーズ演じる主人公イーサン・ハントが、なんとかその場の敵を倒し、次に敵ボスに囚われている婚約者を助けに行くところから西塘古鎮が登場。

IMF本部にいる仲間のベンジー(サイモン・ペッグ演じるベンジーの活躍は本作から始まる)に電話して自分の居場所を逆探知してもらい、敵ボスの居場所まで電話で誘導してもらうという展開。

ちなみにIMFとは国際通貨基金(International Monetary Fund)ではなく、“Impossible Mission Force”の略でイーサン・ハントが所属する架空のスパイ組織のこと(^_^)

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さてイーサンは睡眠薬を飲まされ気を失って拉致されていたので、自分がどこにいるかわからず、また1階出口は敵一味が見張っているので、屋上から逃げることに。

そして屋上から外に出てみると、気を失う前にいた上海中心地の近未来的な都会風景とは似ても似つかないレトロな街の風景にビックリという場面。

それが実際の現地では「聖元酒楼」という飲食店の屋根の上なのです。

↑写真左側の屋根から真ん中に見える2階のテラスへ飛び降り、1階の軒の上を走って右側に見える安境橋(Anjing qiáo Bridge)に飛び移り橋を渡ります。

ここまで一気にワンカットでイーサンを追っていく流れる様なカメラワークが見事!

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そして現在は夕方にはあふれんばかりの人でいっぱいになる永寧橋(Yǒngníng qiáo)を渡ります。

永寧橋を渡ると直角に曲がり、

いよいよお待ちかねの煙雨長廊(Yan Yu Chang Lang)を駆け抜けます。

↓こんな狭い廊(ろう)を、しかも微妙に曲がりくねっている中、人を避けながら疾走するのは至難の技です。

走开!(Zǒu kāi!、どいて!)、走开!

小心!(Xiǎoxīn!、気をつけて!)と中国語で叫びながら走る!

走る!

走る!

そして送子来鳳橋(Sòng zi lái fèng qiáo)という屋根付き橋を渡ります。

ここまでが現地の地形通りのルートで、その後は西塘古鎮のいろいろな路地をカットごと画面をつないで走り抜けるという展開になります。

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ちなみに最初のスタート地点「聖元酒楼」は、前回10年前に行った際は「明清食代」という看板が掲げられていたので、お店の経営者でも変わったのでしょうか?

「聖元酒楼」のエントランスホールに飾られている撮影時の写真(右側)に映っている看板も「明清食代」になっております↓

↑左側の写真には屋根の上で打ち合わせか談笑しているトム・クルーズとクレーン撮影のためハーネス(安全帯)を着けているのはスタントコーディネーターか監督のJ・J・エイブラムスか。

トム・クルーズの名前が「汤姆·克鲁斯」となっている中国語の当て字が妙ですが、それはさておき個人的にはこの「ミッション:インポッシブル3」が現在までのシリーズ6作品の中で、一番のお気に入りです。

いずれにせよ西塘古鎮を訪れる際は、ぜひ再度「ミッション:インポッシブル3」を観てから行き、現地の「聖元酒楼」のテラスでビールと食事でも楽しめば興味深さ倍増でしょう。

ちなみに撮影時は、屋根からテラスへと駆け降り易い様に疑似的な造作屋根などを追加していたと思われ(もしくは撮影後にテラス周りを改装した?)、映画と実際の現地テラスは微妙に形状が違っております。

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さて、「西塘啤酒 超純(西塘ビール 超純)」は、西塘から内陸へ350キロほど西に入った、世界遺産の奇岩や名山で有名な“黄山”のある安徽省黄山市において、2002年に設立された「黄山市迎客松啤酒股份有限公司(Huangshan Guest-Greeting Pine Beer Limited Company)」が製造し、西塘にある「嘉善县西塘宏恩酒业有限公司」が販売。

地元西塘で製造している別の「西塘啤酒」と同様に、麦芽と米とホップを原料にしてアルコール度数2.5%のさっぱりしたのど越しなのですが、「西塘啤酒 超純」の方は仙人が住むと言われる黄山の湧き水を使って醸造されている効果か、微妙にスッキリ具合や風味も違っており、西塘古鎮に行った際は是非とも2種類の「西塘啤酒」を飲みくらべて違いを楽しんでみましょう!

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