(現地で飲む)世界のビール vol.451

「Ožujsko」

まずはクロアチア定番の国民的ビール、さっぱりした苦味の安定感のあるラガービールです。

at Konoba Maestro in Dubrovnik, Croatia

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場所:
Konoba Maestro

住所:
Hvarska ul. 6, 20000, Dubrovnik, Republika Hrvatska(クロアチア共和国、Republic of Croatia)
地図

備考:
ドゥブロヴニク旧市街の東側の入口であるプロチェ門(Ploce Gate)のすぐそばにあるテラスレストラン。

日没時には旧市街の城壁越しに移りゆく空の色の変化を眺められる気持ち良いテラスです。

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さて、「Ožujsko(オジュイスコ)」は、1892年創業の「ザグレブ醸造所株式会社(Zagrebačka pivovara d.o.o.)」で生産される看板的なラガービールで、クロアチア国内ではレストランやスーパーどこでも見かける定番中の定番ビールです。

ちなみに「Ožujsko(オジュイスコ)」という名前は、クロアチア語で“3月”を意味する「ožujak(オジュヤク)」の形容詞なので“3月の”という意味ですが、これはカールスバーグによるビール酵母の発見が伝わる以前の運まかせ、自然まかせのビール醸造時代に、ザグレブ醸造所で実験的に毎月仕込んだビール樽の中でも3月仕込みが一番美味しかったのでそれを製品化した、ということに由来。

もちろん、現代では生産技術が進歩したため、年間を通して醸造され提供されております。

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続いて「Ožujsko(オジュイスコ)」と双璧を成すクロアチアの定番ビール、

(現地で飲む)世界のビール vol.452

「Karlovačko」

ほのかな酸味と苦味が心地好い。

ちなみに背景はドゥブロヴニク旧市街の中の目抜き通りのランドマーク、ドゥブロヴニクの時計塔です。

で、「Karlovačko(カルロバチェコ)」は、クロアチアの首都ザグレブの南西約50kmにある街、カルロヴァツ(Karlovac)にて1854年に地元の地主であるニコラ・ヴラニチャニ=ドブリノヴィッチ男爵(Baron Nikola Vranyczany-Dobrinović)によって設立された「カルロヴァチュカ醸造所(Karlovačka pivovara)」が製造。

いたってオーソドックスな原料と製法で醸造されるクロアチアを代表するビール、安定感がある良質なビールです。

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で、ついでと言っては何ですが、流れで「カルロバチェコ」のラインナップのひとつ、

(現地で飲む)世界のビール vol.453

「Karlovačko Radler」

at Bistro Revelin
地図

ヨーロッパのビールあるある、苦いビールを苦手とする女性も飲みやすいフルーツとコラボした“ラドラー”ビール。

ほとんどビールではなく、ジュースっぽく飲めるので、二日酔いの日中とか、爽やかな陽の光の下でオススメです。

特にドゥブロヴニク旧市街の先述したプロチェ門を入ったすぐ、ドゥブロヴニク港(Porat Dubrovnik)を一望するテラスレストランで飲むと最高です。

ドゥブロヴニクの古い歴史を今に残す旧港の風景、素晴らしい!

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で、次はクロアチアの大手ビール3番手、

(現地で飲む)世界のビール vol.454

「PAN ZLATNI」

濃い金色の見た目からスモーキーな香りを想像しますが、いたって普通っぽい薄目の香り。

そんな「パン・ズラトニ(PAN ZLATNI)」は、クロアチア北部の街コプリヴニツァ(Koprivnica)にて1971年に創業した「パノンスカ醸造所(Panonska pivovara)」が、2004年にカールスバーグ・グループ入りした後の「カールスバーグ・クロアチア有限会社(Carlsberg Croatia d.o.o.)」にて、2009年にパンのマスターブリュワーと600人のクロアチアのビール愛好家のコラボレーションによって誕生したラガービール。

世界的に珍しいクロアチア産のホップを使った独特の苦味が特徴です。

ちなみに“ズラトニ”とは“ゴールド”の意味で、パン・ブランドの主力商品「PAN LAGER」のプレミアム版です。

at Banje Beach Restaurant Lounge & Club
地図

ドゥブロヴニクの素敵なところは、観光もありながら海でも遊べるリゾートという、2度美味しいところ、最高です。

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さて、クロアチアの定番ビールの後は、ドゥブロヴニクの地元醸造のクラフトビール、

(現地で飲む)世界のビール vol.449

「Dubrovnik Maestral Lager」

爽やか麦の香りが心地好い!

at Beer Factory Dubrovnik
地図

このドゥブロヴニク唯一の地元クラフトビールを醸造するのは、2016年にビール愛好家の仲間が立ち上げた「ドゥブロヴニク・ビール・カンパニー(DUBROVNIK BEER COMPANY)」で、無濾過・無殺菌のビールを提供。

ちなみにビールの名前の“マエストラル”とは、夏の最も暑い時間帯に吹く北西風のことで、ドゥブロヴニクの海岸沿いで涼をとる心地好さと同様の効果を期待できるビール、という意味だそうです。

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そんな“マエストラル”が吹いてくる風上、ドゥブロヴニクの北西約100kmのメトコヴィッチ市から吹いてきた旋風的なクラフトビール、

(現地で飲む)世界のビール vol.450

「Brewville I’ll be back IPA」

典型的なIPAらしく、ホップの苦味が心地好く旨い!

そんなブリューヴィル・ビールを醸造するのは、2021年からビール醸造を開始した新鋭クラフトビール醸造所「ブリューヴィル有限会社(Brewville d.o.o.)」で、ネレトヴァ渓谷の中心部に位置しており、クラフトビールの製造の基本的なインスピレーションはそこから得られているとのこと。

ちなみに今回のIPA「I’ll be back」は、ネレトヴァ渓谷沿いのメトコヴィッチ市の隣街オプゼン出身のスティエパン・フィリポヴィッチ(Stjepan Filipović)にちなんだビールです。

スティエパン・フィリポヴィッチは1916年にオプゼンで生まれ、1941年ユーゴスラビア戦争勃発当時、民族解放パルチザン部隊に入り、1941年12月にドイツ軍に捕らわれ絞首刑にされた、クロアチアの英雄なのです。

そんな彼が絞首刑の直前に語った「死を恐れるな。死など取るに足らないものだ。自分が何のために死ぬのか分かっていれば、死は恐ろしいものではない。私は戻ってくる(I’ll be back)」という言葉がビール名の由来です。

日本の古典『葉隠』の「武士道とは死ぬことと見つけたり」に通ずる、“意味のある死は後の世の人々の中で生き続ける”とでもいうような意味合いでしょうか。

実際、フィリポヴィッチは死後ユーゴスラビアや故郷オプゼンに彼を讃えるモニュメントが建てられ、彼の言葉通り“戻ってきた”のです。

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今では素敵な観光地として世界中から人々が訪れるドゥブロヴニクですが、実は2001年という、つい最近までユーゴスラビア内戦等で戦火にまみえ破壊されつくされたドゥブロヴニク。

地元の人々の努力で中世の街並みを復元させて世界に名だたる観光名所になりましたが、この平和がいつまでも続き、ドゥブロヴニクで美味しいビールが飲めることを願わずにはいられません。

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