
(現地で飲む)世界のビール vol.143
古代米を使った伊勢の地ビール「神都麥酒」
ほんのり甘い香りを感じる美味しいビールです。
巨大な伊勢海老?フライとともに、お伊勢参り前夜を堪能するのはお約束、二見浦。
at 松風軒 in Futamigaura, Ise JAPAN
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場所:
松風軒(Shofuken)
住所:
〒519-0609 三重県伊勢市二見町茶屋249
249, Futamichochaya, Ise, Mie, 519-0609 JAPAN(日本)
0596-43-2134
地図
備考:
日本人なら一生に一度は行こう、お伊勢参り。
ということで、せっかく行くなら一応正統派ルートと順番も知ったうえで、使える時間と好みに合わせてアレンジすれば良いと思います。
まずは“お伊勢参り”の最初は「二見浦」と書いて「ふたみがうら」と読む、二見浦で禊ぎ(みそぎ)。
お伊勢参り前日に二見浦入りして、二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)でお祓いし、身を浄めてから翌日お伊勢参りというのが正統派のお参り始め。
なので、お伊勢参りする皇族の方々や賓客が宿泊した明治20年開業の国指定重要文化財、賓日館(ひんじつかん)の威風堂々たる建築物もあります。

現在は歴史的建築物として拝観可能ですが、16時30分までに入館しないと拝観できません(ToT)

二見興玉神社の社務所や周辺のお土産屋さんも、その前後の時間に閉まりますので時間配分に注意が必要です。
空いた時間の夕食は、先出の「松風軒」で前夜祭もオススメ。
名物の伊勢料理はほぼ全部堪能できてしまうので、お伊勢参り後の楽しみに取っておく料理との取捨選択も嬉しい悩み。
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さて、夜の帳が降りてからは、24時間お参りできる二見興玉神社のライトアップされた夜の夫婦岩もオススメです。

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そして翌朝、夫婦岩越しの日の出を拝むところから、いよいよお伊勢参りの始まりです。

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さて、ここからは定番。
JR参宮線の「伊勢市」駅または近鉄山田線「伊勢市」駅に到着です。
駅からは伊勢神宮外宮(げくう)の参道の趣きある建物を横目にプラプラ歩いて行きます。
そして外宮前にたどり着き、目の前に拡がる森と山々を望んだ際の、そこかしこに神々が宿っているという実感が我が身を圧倒して湧き上がってきます。
まさに西行法師が詠んだ「なにごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」という感じ。

神の存在を常日頃から信じている世界の人々は、この様に身近に神を感じているのかと実感できるほど、普段は神とともに暮らしていない東京など都市在住の日本人にとっても、この伊勢の神々しさと万物に神々が宿っているという凛とした背筋が伸びる感覚を改めて体験させてくれる特別な感動に圧倒されます。

朝の澄んだ空気感が、さらにそう感じさせるのかもしれません。

そして伊勢の神宮の多くは、1300年前から続く20年に一度の式年遷宮の建て替えお引越しのために、隣に同じ大きさの敷地が用意されており、その規模感がわかるのと同時に普段接している全国の神社との違いを実感せずにはいられません。
式年遷宮があるお蔭で、萱葺屋根と白木で造られた社殿という、伊勢にしかない特別な存在を拝むことができるのです。
そうやって建て替える意味を理解されず、1300年続く文化をただ古い建物を保存しないからという理由で、世界遺産に登録されないことのお蔭で、むやみに外国人観光客が訪れないという伊勢の存在は、日本人にとっては逆に有り難いことです。
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さて、30分ほどで外宮本殿や別宮を参拝した後は、外宮北御門(きたみかど)から続く、天照大神(あまてらすおおかみ)の弟である月夜見尊(つきよみのみこと)が夜な夜な白馬に乗って外宮に通ったという神路通り(かみじどおり)を歩きながら、「月夜見宮(つきよみのみや)」へ。

お伊勢参りの人々も普通に気づかずスルーしてしまう月夜見宮、お蔭で参拝客は少なく、今や住宅街の中にある杜ではありますが、雰囲気は素敵です。
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お次はこれまた人知れず鎮座します「倭姫宮(やまとひめのみや)」。
伊勢神宮において、もっとも新しく創建時期が1923年(大正12年)と明確である宮ですが、日本神話における第11代垂仁天皇の第四皇女で、伊勢神宮を創建したと伝えられる倭姫命(やまとひめのみこと)を祀る宮です。
こちらも月夜見宮から徒歩30分ほどで、少し外宮内宮と方向が離れているため、スルーされがちです。
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倭姫宮のお次は徒歩20分ほどで辿り着ける、再登場というか、字は違うものの先ほどの月夜見宮と同じ神を祀る「月讀宮(つきよみのみや)」。

古事記や日本書紀においても天照大神の弟神でありながら、影が薄く通好みの存在である月読命(月読尊、つくよみのみこと)は、伊勢においても影が薄くスルーされがちですが、ここ月読宮は彼ら兄弟の父親である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祭神とする伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)や、その妻である伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祭神とする伊佐奈弥宮(いざなみのみや)と、月讀尊の荒ぶる“魂”を祭神とする月讀荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)という伊勢においても珍しい4柱の神を一同に祀る最強のパワースポットでもあります。

4柱が横一列にならぶ壮観な眺めは貴重なうえに、

参拝客がほとんどいない、通好みオススメの宮です。
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さて、次はいよいよ内宮に近づき気持ちもはやりますが、手前の「猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)」にも忘れず立ち寄りましょう。

ちなみに「猿田彦神社」は、伊勢の神宮では逆に珍しい、遷宮をしない宮で、普段見慣れた社殿造りではありますが、なにせ天照大神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上に降り立った時に道案内(御啓:みちひらき)したという猿田彦(さるたひこ)大神を祀っていることから、まさにお伊勢参りのハイライトである内宮への参拝前に、お導き(道案内)を願いご挨拶に訪れる神社なのです。
ちなみに先出の伊勢神宮を創建した倭姫宮を伊勢の地に案内したのも、猿田彦の子孫とされております。
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そして、いよいよお伊勢参りのハイライト、皇祖神であらせられる天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る伊勢神宮内宮(ないくう)です。

多くは語りませんので、実際に訪れて感じてください。

杜の中そこかしこに神々が宿り、身近に神々が寄り添っている感覚。日本人が畏敬する自然の中に神々を見い出し、自然とともに共生してきた伝統と文化を実感せずにはいられません。

もちろん、ただここへ来るだけでもいろいろ感じるものはあると思いますが、ここまでの文中に出てきた神々の名前はもとより、古事記や日本書紀にからめて日本の神話についても、なるべくお伊勢参り前には把握しておくべきと思います。
いろいろな日本の神々の物語を理解することにより、より一層お伊勢参りが感慨深いものになります。
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さて、こうしてお伊勢参りをやりきった充実感は、日本人としてのやるべきことを1つ達成した満足感とか安堵感に近く、とても気分が良いものです(^^)
ちなみに伊勢市駅から「外宮」→「月夜見宮」→「倭姫宮」→「月読宮」→「猿田彦神社」→「内宮」とすべての参拝を歩き通すと、だいたい10kmほどになり、朝から開始するとちょうどお昼ころに参り終え、気持ちの良い疲労感と空腹感も感じることができます。

そんな参拝者を迎え入れてくれるのが、伊勢内宮前の参道両側に続く「おはらい町通り」から「おかげ横丁」で提供される“伊勢うどん”や“手ごね寿司”や

”赤福氷”。

でも、まずはやっぱりビールでしょう!!

(現地で飲む)世界のビール vol.144
伊勢角屋麦酒の「伊勢ピルスナー 樽生」
名物のカキフライ串と、ほどよい苦味とスッキリ喉越しピルスナービールとの相性が抜群。
at 伊勢角屋麦酒 内宮前店
住所:
〒516-0024 三重県伊勢市宇治今在家町34
0596-23-8773
地図
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「伊勢ピルスナー」は、チェコのザーツ種ホップを使った基本に忠実な下面発酵のラガータイプで、「神都麥酒」と同様こちらも古代米を使っているものの、「神都麥酒」の様なほのかな甘さよりはホップの苦味と香りを感じ、喉越しスッキリの典型的なピルスナービールです。
そんな「神都麥酒」と「伊勢ピルスナー」を醸造するのは、織田信長が天下統一を目指していた戦国時代1575年創業の、お伊勢参りの参拝客が利用する舟着場の茶店「角屋」を起源とした「有限会社二軒茶屋餅角屋本店(にけんぢゃやもち・かどや・ほんてん)」が「伊勢角屋麦酒 神久工場」で醸造。
舟着場の「角屋」と「湊屋」の二軒の茶屋が提供してきた黄な粉餅が“二軒茶屋餅”と呼ばれ、赤福よりも歴史がある名物になっておりますが、餅だけではなく、大正12年からは味噌や醤油も醸造してきた経験と技術を活かし、1997年からクラフトビール醸造を開始。
そして早くも2000年には“Japan Beer Cup”で金賞を受賞するというレベルに達し、今や世界のビールコンテストでも高く評価され、受賞を重ねる上品質のビールを数多く提供する醸造所になっております。
その中でも、個人的には「神都麥酒(しんとびーる、SHINTO BEER)」が特にお気に入りで、明治時代の伊勢にあった幻のビールを復刻させたという、ラベルもそれっぽい雰囲気のうえ、麦芽とホップの他に伊勢志摩産の古代米(黒米)も使用しているだけあり、ほのかな甘さを感じる美味しいビールです。
ということで、前夜に「神都麦酒」を飲み、翌日お伊勢参りの後に「伊勢ピルスナー」を飲むというのが、正統派お伊勢参りルートにビーラー(ビール好きの人)としてのお楽しみを加え、“伊勢の都は神の都”を五感で体感できる、ビーラーにオススメのお伊勢参り手順です。
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