(現地で飲む)世界のビール vol.105

ポルトガル最大のビールブランド「SAGRES」

15世紀からの大航海時代に世界と交易したポルトガル貿易の中心地にて、当時世界に乗り出して行った船乗り達を育てた航海学校のあった地名サグレスの名を冠したビールを飲み、当時に思いを馳せるマニアックな幸せ。

at Praca do Comercio in Lisbon, Portugal

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場所:
コメルシオ広場(Praça do Comércio)

住所:
Praça do Comércio, 1100-148 Lisboa, República Portuguesa ポルトガル
地図

備考:
コメルシオ広場は、直訳すると“交易広場”という意味で、大西洋につながるテージョ川河口に位置するだけあって、国内の商取引だけでなく15世紀から盛んになった海外との貿易の中心地でもあったという。

もともとは大航海時代を謳歌した、ポルトガル王国黄金期の国王マヌエル1世が建立した宮殿の周りに港湾関係者が集まり、世界進出により富を集めようとする国益と商人達の利害が一致して大いに繁栄した地域だったのです。

大西洋から南アフリカの喜望峰を周りインド洋に出る、というインド航路を発見したポルトガルの海の探検家ヴァスコ・ダ・ガマ(Vasco da Gama)もこの地から冒険の旅に出発して行ったという。

なので、コメルシオ広場の北の入り口で、アウグスタ通り(Rua Augusta)からの門である勝利のアーチ(Arco da Rua Augusta)の装飾にもヴァスコ・ダ・ガマの彫像(正面左上の壁面)が街の誇りとして奉られております。

そしてジョゼ1世が国王であった1755年のリスボン大地震による津波と大火災で一帯は瓦礫の廃墟と化しましたが、復興の際には宮殿は再建せず、リスボン市民の繁栄を願って交易の場として提供し、コメルシオ広場として整備しました。

なので広場の中心にはリスボン市民から感謝の意を込めて献上されたドン・ジョゼ1世の騎馬像(Estátua equestre de D. José I)が建っています。

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さて、ポルトガルが誇るビールブランド「サグレス・セルベージャ(SAGRES CERVEJA)」を製造するのは、1934年に設立された「ソシエダデ・セントラル・ダ・セルベージャス株式会社 (SCC – Sociedade Central de Cervejas e Bebidas, S.A.) 」ですが、もともとは1855年創業のジャンセン・セルベージャス(Jansen Ceverjas)や1912年創業のポルトガル麦芽&ビール生産株式会社(Companhia Produtora de Malte e Cerveja Portugália SA)など、リスボンの4つの醸造所を集約して出来上がった会社なのです。

そんな「ソシエダデ・セントラル・ダ・セルベージャス株式会社」の設立から間もない1940年に開催されたポルトガル世界博覧会に、ポルトガルを代表するビールとして出品するために誕生したのが「サグレス」。

麦芽やホップ、水など原材料をすべて100%天然素材で厳選して作られた「サグレス」は、すっきりした味わいながら気高さも感じるビールです。

ちなみに“サグレス”の名前は、ポルトガルの最南西端、大西洋に突き出た岬の街の名前で、その地に大航海時代の15世紀にエンリケ航海王子(Infante Dom Henrique)によって設立された船乗り育成の航海学校があり、そこにあるポルトガル海軍所属の練習帆船の名前も歴代サグレス号であることから、“サグレス”の名前の響きに大海原や船旅を想起させられ、なんとも胸踊らされるビールなのです。

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